
労働政策審議会の自動車運転者労働時間等専門委員会は、自動車運転者の改善基準告示の見直しに関する報告書を取りまとめた。
バスとタクシー・ハイヤーに関する見直し案を示した今年3月の中間報告の内容に、同委員会の作業部会が9月にまとめたトラックの見直し案(9月19日付1面既報)を追加したもの。いずれの業態も拘束時間の削減と休息期間の拡大を図る内容となっている。全業態で継続8時間としていた休息期間を「継続11時間を基本とし、9時間を下限」に見直すとした。
拘束時間は、トラックが現行の1年3516時間から原則3300時間に短縮、バスが3380時間(年換算)から3300時間に短縮となる。
改正告示の履行確保を図るため、荷主や貸切バス利用者など発注者側にも周知すべきとした。とくにトラックについては、長時間の荷待ちを発生させないよう荷主に対して労働基準監督署による「要請」を実施することが適当と指摘している。
今後実施すべき事項として、自動車運転者への時間外労働の上限規制と改正告示が適用される令和6年4月以降の運用状況の把握を挙げた。適用から3年後をめどに、実態調査の設計を含め、見直しに向けた検討を開始することとしている。
2022.10.07 【労働新聞 ニュース】