
雇用保険・教育訓練休暇給付金の省令公布へ
求められる休暇の制度化と賃金支払状況等の届出
厚生労働省は、改正雇用保険法によって創設される教育訓練休暇給付金の制度概要を示した。4月中旬を目途に省令(雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令)を公布し、令和7年 10 月1日から施行する。
支給対象となる教育訓練休暇とは
教育訓練休暇給付金は、従業員(被保険者)が自発的に教育訓練の受講に専念するため、企業の休暇制度(教育訓練休暇)を利用した場合に、その訓練期間中の生活費を支援する目的として基本手当に相当する額を支給する制度。支給対象となる教育訓練休暇については、省令において表1の要件が規定される。
表1 教育訓練休暇の要件
なお、対象となる教育訓練については、表2の①~③のいずれかであって、事業主の承認を得たものと省令で規定される。
表2 対象となる教育訓練
事業主が賃金支払状況等を届出
事業主は、その雇用する一般被保険者が教育訓練休暇を開始したとき、教育訓練開始日の翌日から起算して10日以内に、事業所を管轄するハローワークに対し、雇用保険被保険者教育訓練休暇開始時賃金月額証明書を提出しなければならない。
休暇開始日及びその日前の賃金額を証明する書類(雇用契約書、賃金台帳等)や、事業主が教育訓練休暇制度を設けていることを証明する書類(就業規則等)の添付も必要となる。併せて、提出書類において支給対象者の解雇等の予定の有無を確認する。虚偽申告は罰則の対象となる。
支給申請は本人が行い 30 日ごとに申告
一方、被保険者自身の要件は表3のとおり。教育訓練休暇給付金の支給を受けると、休暇開始前の被保険者であった期間は、基本手当の受給資格決定に用いる期間から除外されるので、その点は事業主が申請者にその旨を確認し、十分な理解を得ておくことが望ましい。なお、休暇終了日から6ヵ月以内に離職した者のうち、離職理由が解雇等や会社の倒産等の場合は、離職時の算定にあたって、休暇開始前における被保険者期間も含める特例が設けられる。支給申請は、被保険者が本人の住所地を管轄するハローワークに行う。30 日ごとに1回、教育訓練休暇を取得していることを申告し、その認定を受ける。なお、給付日数の上限は算定基礎期間(被保険者期間)に応じて 90 日、120 日または150 日となる。
表3 被保険者の要件
出典:【(月刊社労士202504)雇用保険・教育訓練休暇給付金の省令公布へ】を引用し編集
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