「106万円の壁」撤廃 最賃引上げが背景に 厚生労働省案
厚生労働省は12月10日、社会保障審議会年金部会に対し、短時間労働者に関する厚生年金の加入要件から「年収106万円の壁」となっている賃金要件を撤廃する案を示した。
地域別最低賃金の引上げによって、労働時間要件である週20時間以上働いた場合に月額賃金8.8万円以上の賃金要件を上回る地域が増加している点や、就業調整を行うかどうかを判断する基準として労働者から強く意識されている点を踏まえた。
労働者の負担感を軽減できるよう、標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者が厚生年金に加入する場合に、労使の保険料負担割合を変更できる特例措置の創設も提案している。
賃金要件の撤廃時期は、地域における最賃の引上げ動向を踏まえて決定するとした。
さらに、障害者など最賃の減額特例対象者のうち、月額賃金8.8万円以下の短時間労働者については、本人が希望する場合に任意で加入できる仕組みとする。
賃金要件の撤廃後は、50人以下の中小企業への適用拡大を進める。その際は、十分な周知・準備期間を確保するとした。
一方、保険料負担の特例措置については、対象者を限定した時限的な対応に留める考え。対象者として、月12.6万円以下の短時間労働者を想定している。
労使の判断で被保険者本人の保険料負担を軽減できるようにするが、事業主が全額を負担することは認めない。賞与も特例措置の対象とする。
【出典:労働新聞2024.12.23 [労働新聞 ニュース]】
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